Milk Bottle Bottom

おじいちゃんに「おんめぇ牛乳瓶の底みたいなメガネしてんなぁ」と言われつつ、世界ノマド準備中の23歳フリーランサー。

ジョンの素直さに感動した日 ~免許合宿4日目~

Ni Hao!私よ。

 

今日はですね、私と同じ日に免許合宿にジョインした10人のうちの一人である、ジョン(本人がそう名乗ってるので、その通称を尊重しています。笑)の行動に、静かに、かつ、じわじわと深く感動させられた話をします。

 

一言に「感動」と言ってもいろんなものがありますが、

「感動の種類」としては、その出来事が起こった瞬間に「おお!素晴らしい!」ってすぐさま衝撃が走る感じのものではなくて、

時間が経つにつてじわじわと「おぉ、なんかこれって素晴らしいことだよなぁ・・・(しみじみ)」と気付く感じのものです。

 

なんかこう、辛い食べ物でもありますよね?

口に入れた瞬間「辛っっ!!!!」ってなるやつと、

口に入れて最初もぐもぐしてる間は「ん~?別に大したことn・・・」って感じで、ちょっとすると「・・・あ!やばい!これ辛い!!!!」みたいになるやつ。四川のマーボードウフみたいな。

 

今回の感動は後者、四川料理ishな感動でした。

 

===

 

今日の午後、私が洗濯をしようと男子寮のある2階のコインランドリーコーナーにいると、ジョンが通りかかりました。

 

ジョンは一言でいうと、「小学生男子」です。

 

いや、もちろん小学校に通っているわけではありません。ジョンは18歳で、千葉かどっかから来た男性です。中学を卒業したあと、高校という選択肢は選ばず、工事現場で働いているらしく、すでに原付の免許を持っています。

 

で、良い悪いの判断は一切せずに、事実をここに書くと、

 

ジョンは本当に、「小学生男子」のようなのです。

 

「中学生」とも「高校生」とも書かないのは、中学~高校くらいになると多くの人が身に着ける、『”恥じらい”とか”自意識”の発達からくる、カッコつけな振る舞い/決まりの悪い自分の一面を隠そうとする姿勢/ある一定レベルのセルフブランディング』みたいなものが、彼の言動にほとんど見られないからです。

 

一言で言うと、

人目を気にしない/究極に自然体/「こう思われたい」という欲がない、

若干失礼な言い方だと、

子供っぽすぎる/精神的に未熟/単純

 

彼の選ぶジョークとか、発言とか、振る舞いとか、服装とか、

何もかもが私に小学生時代を思い出させるのです。笑

 

そう、ただ忘れちゃいけないのは、ジョンはとてもいいやつで(学科の講義中ときどきうるさいけど)、気が利くし、優しいし、おどけはするけど、特別汚い言葉遣いとかもありません。いつも明るくて、元気で、、、そう、彼はまさに「元気で明るい小学生」そのもの。

 

えにうぇい、そんなジョンを私は「普段自分の友達の中にはいない類のマジで新しい生き物だし、たぶんお互いの常識は全然違うけど、悪いやつじゃないし仲良くしたらええやん」くらいに捉えていました。

一緒に入校した10人は結構仲がよく、一緒にごはんを食べたり授業を受けたりしているので、他の人と同様にジョンと接する機会は初日から今まで普通程度にありました。

 

そんな状態で迎えた4日目の午後、私はコインランドリーでジョンに出くわしました。

 

ここまでの説明でなんとなくイメージがついているかもしれませんが、ジョンは勉強が得意なタイプではなく、最低2回合格する必要がある90点合格の100点満点テストにかなりに苦戦していました。

 

一方、私は4日目の時点ですでに2回クリアしていたので、のんきに洗濯なんかしていました。

 

ジョンはふらっと、のんきモードの私のところに歩いてきて、

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ねぇねぇ!勉強教えてくんない?」

 

とただ一言、顔色も声色も変えずに、いつもの「元気で明るい小学生モード」で言いました。

 

あまりにサラっとお願いされて、

 私はほぼ反射的に「いいよ~」と答え、いつもならそれ以上何も言わず相手に任せるのに、今日は

 

「具体的にいつ、どこでやる?次のコマ空いてるから今から一時間食堂でどう?」

 

と、なぜか自分から提案までしていて、我ながらなんじゃこりゃ状態でした。

 

その瞬間は「なんでかわからんけど、珍しいことしてるなわたし・・・」くらいにしか考えなかったけど、

あれこれ教えて一時間が経った頃、私はなぜ自分にしちゃ珍しく(私は優しくないし、仲のいい友達と可愛い女の子に対して以外は人の面倒もほとんど見る気がしない人間なので、マジで本当に奇跡レベル)こんな1万年に1回くらいの面倒見の良さを発揮したのかがわかってきました。

 

 

たぶん、シンプルに、私はジョンの素直さに感動したのです。

そして、心動かされて、普段ならしないようなことまでしでかしました。

 

 

いや確かにね、素直って言っても、ただ単に一時間勉強に付き合ってってお願いした、それだけのことかもしれません。

 

けど、もし私がジョンと同じ状況だったら、あんなにサッパリと勉強教えてって頼めないと思うのです。

 

まず、たぶん私だったら、「自分が壊滅的にできてない状況」のうちは人に助けを求められません。

 

つまり、100点満点中、85点以上くらいとれてて、「まぁ悪くないけどあと一歩届かないのよね」くらいのレベルまでいっていれば、「まぁ自分もそこそこできてるし、この現状を人に相談するのも恥ずかしくないから、お願いしてみよっかな」と思えるけど、

あの時のジョンみたいに6~7割くらいしかとれてなくて、相談する相手(この場合私)のレベルに対して圧倒的に自分が低い状況だったら、自分のできなさに対する恥ずかしさと、相手に対する引け目で、相談なんて絶対にできない。

同じ日に入校した、レベルの差がつきづらいはずの相手なら尚更です。めっちゃ勇気を振り絞れば、先生のところにはいけるかもしれないけど、たぶん、まずとにかく人に開示しても恥ずかしくない最低レベルまで自力でなんとかして・・・とか、こそこそ考えると思う。

 

あなただったらどうですか?

圧倒的にできていないくそダサい自分を隠さずに、素直に頼みごとができますか?

 

あと、私の感動レベルを上げたのは、これが比較的早いタイミングで起こった出来事だったこと。ジョンにはあと4日合格期限まであったので、まだあれやこれやもがく時間があったのです。自主勉したり、周りのもっと仲のいい男子メンバーに頼んだり、、、

 

もし私だったら、もっと追い込まれていて、時間がなくて、「もう人にお願いするしかない!」みたいになるまで相談できないと思うけど、彼がこのタイミングで私のところに来たのは、人に頼る抵抗感の低さの現れだともいえます。

 

あともう一つ、言葉の素直さも私の感動レベルを上げました。

「勉強教えて!」って、一番シンプルで、文字通りで、伝わりやすい言い方だけど、その一行をなんの前置きもなしに、パッと言うのは絶対簡単じゃない。もっと間接的に伝えたり、その前に話したり、たぶん私はモジモジしたり目をキョロキョロさせたりためらったりしちゃうけど、彼はサラッと、堂々としていたので、それもかなり新鮮に響きました。

 

 

結局ジョンは、私と勉強した直後のテストは合格できず、その次のテストでようやく一回目の合格を果たしたので、私の特別授業は彼にとってあまり意味をなさず、

むしろ、私の方が得るものが多かった一時間になりました。

 

 

 

「困ったときには助けを求める」←学生時代スタバでアルバイトしていたとき暗唱レベルまでたたき込まれた(懐かしい)

「素直なやつが伸びる」←リクルート時代、夢に見るくらい言われた・・・

「人にしてあげると、自分にも返ってくる」←誰に言われたわけでもないけど、一休さんとかちびまるこちゃんとかでこういうテーマありそう

 

小さい時から聞き飽きたようなことではあるけど、実感を伴って理解できるようになるには時間がかかるものなんだなぁ・・・と思った、4日目午後の出来事でした。

 

Zaijan! ほなー!